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2014/09/06

少しでも自分を知る地元の人間と交流したかった



広島に戻りたい

日々の生活の不安から夫に何度か言ってみたことはあったが
若いんだからその内神戸にも慣れるよと相手にされなかった。
義父の件については隆一が不機嫌になるので滅多に言えなかった。

こうして抑圧される一方で、夫は会社での仕事が面白いらしく
遅く帰ってきては、その日あったことを嬉しそうに話すのだ。
陽子にしてみればその話を聞くのが苦痛だった。

正直、陽子はこうした夫婦生活に疲れきっていた。
そこに地元の友人からの結婚式の招待状である。
これはもうテンションが上がらないわけがない。

夫も久々に元気に話す陽子の姿が嬉しかったようで
しばらくゆっくりしてきたらいいよと言ってくれた。

夫からのOKも出た。
陽子にとって久しぶりの帰郷である。
嬉しくてあちこちに電話をし段取りを組んでいたのだが
直前になって金曜に遊ぶ予定だった友人がダメになってしまった。

既に前もって予定を聞いていた友人達は全滅であった。
陽子はしようがなく携帯の電話番号から幼馴染の湊愛子を選んだ。

わー陽子ちゃん帰ってくるんじゃね。
えーよーえーよー遊ぼうやー。

幼馴染とは言え、中学、高校とクラブも違って
しかも短大に進学した愛子とは随分疎遠になっていた。
ポワポワした天然の性格の愛子とは相性も良いと思っていなかった。

もちろん、陽子の結婚式・披露宴には愛子も招待した。
でもそれは自分がいかに幸せかを見せ付けるためであって
今更の自分の境遇を、万が一にも話してしまうのは悔しかった。

しかし背に腹は変えられない。
陽子は少しでも自分を知る地元の人間と交流したかった。

結婚式は日曜日じゃけー金曜とかに会わん?
えーよーえーよ。
急でごめんねー。夕方からとかええ?
陽子ちゃん帰ってくるなら会社休むよー。
じゃあ16時半とか。駅ターミナルで。
うん。そうしよう。
じゃあ金曜日。お願いねー。
楽しみじゃねー。

陽子は電話を切るとどこか良い飲み屋がないかをネットで検索した。
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