2ntブログ
--/--/--

スポンサーサイト

2014/09/04

見栄っ張りと地元の能天気な女友達



金曜日、陽子は時間ぴったりに尾道駅ターミナルに着いた。
階段を上がってラウンジを見渡すとすぐに愛子を見つけた。
愛子は花柄のワンピース姿で相変わらずガーリーだった。

あいこーお待たせー

陽子は努めて明るく声をかけた。

陽子ちゃん久しぶりー
愛子変わらんねえ
陽子ちゃんは大人っぽいよ

当然だ。少しでも都会の幸せ奥様に見せたかった陽子は
この日のために服も靴も新調してきたのだった。
名付けてザ・若奥様。
気張った格好に愛子が予想通りの反応をしたので陽子は溜飲が下がった。

これ、おばちゃんに。

陽子はトートバックから神戸銘菓を取り出し愛子に差し出した。
実際には家計は火の車でお土産を買うのも苦しいのだが
陽子はここでも余裕の常識人ぶってみせた。

うわー。お母さん喜ぶわー。
うん、宜しくゆっといてね。
でもこれ大きいねえ。持って歩けんよ。
ロッカーに入れたらええよ。

愛子の行動は一つ一つ指示してやらなければならない。分かっていたことだ。
さてどこで飲もうかという段になって、陽子は福山を提案した。
実は先日、ネットで尾道周辺の飲み屋さんを調べた際に
男女を交互に配置してくれるという店を見つけたのだった。

もし万が一、愛子と二人きりで会話に困ったとしても
その時は隣の男性と仲良くすればいい
そんな酷い陽子の策略だった。
そうとは知らない愛子は福山行きに賛成した。

尾道から福山までは電車で40分程度である。
電車の中では、陽子は自分の境遇についての話は避け
ずっと愛子の愚痴を聞くことにした。
他人の不幸は蜜の味である。

しかし愛子からの話は
恋人の東野が出向からまだ帰ってこないとか
最近、東野の電話での対応が冷たいとか
陽子から見れば実にどうでもいい内容だった。
段々話に飽きてつい

あーそれは彼女できたんかもねー

などと意地悪く言ってしまったが
愛子にはそれは意地悪と捕らえられなかったようだ。
正にわが意を得たりと愛子は一層最近の状況について話すのだった。
関連記事

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


コメント

非公開コメント

アクセスランキング ブログパーツ