「だんな様は維持装置なしに生きることが出来ません」
医師は事務的に説明し部屋を出て行った。
夫が定年を迎えた朝のあまりにも突然の出来事。
かさむ治療費を心配した子供達はすぐにスイッチを切ることを主張したが
老婦は頑なにこれを拒否した。
「お父さんへの想いだけが私の支えなの」
老婦は言葉どおり寝ずの番で夫の面倒を看続けた。
そして看護を始めて30日後、聖夜に奇跡は起こる。
夫のまぶたがかすかに動いたのだ!
「お父さん!私の声が聞こえる!?」老婦は叫んだ。
夫の口がわずかに震えた。
「いい?お父さん、よく聞いて!
あたしはずっとあんたのことが嫌いだったの!」
老婦はそれだけ言い終えると人工呼吸器のスイッチをひねりに行った。
ぷちっ
「やれやれ・・・これ言わずにいきなり死なれたら夜も寝られないわ・・・まったく」
そうこの言葉を夫に伝えることだけが哀れな老婦の支えだったのだ。
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