薄暗い闇の中でタケシは目覚めた。
頭と体がズキズキと痛む上、前もよく見えない。
腫れたまぶたを上げ、目玉を動かして周りを見ると、自分がビルの壁かなにかに寄りかかるように座っているのが分かった。
力を入れてみるが足は両方とも動かない、右腕も上がらない状態だった。
(くっそ。あいつら。)
左の遠い雑踏の方からわずかに光が漏れてきていた。
タケシは唯一動く左腕を返して時計を見てみたが、その時計はガラスが割れ、針もなくなっていた。
(何時なんだよ。くそ。リカコ待たせてるな。これ。)
タケシは胸ポケットからくちゃくちゃになった煙草を引っ張り出し、どうにか口に咥えた。
震える左手でライターの火をつけ、小さく吸い込む。
(どうすっかな。リカコ。。。)
タケシは二口目を吸って、目を瞑った。
(リカコ。。。)
左手がだらんと垂れ下がる。星も見えないビルの隙間、タケシの口元から煙草がこぼれ落ちた。
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