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2015/05/04

大学時代の彼に偶然出会っちゃった




いやー今日は参っちゃったなあ。
まさかあんなところで武田君に会うとは、びっくりよね。
あー、でも、早く帰んなきゃ、旦那に叱られちゃうー。
でも武田君、あんなエリートになってるなんて。うふ。

人も少ない5月の東西線で、粟屋朋子はまだ股間に異物を感じながら今日のことを思い出していた。
思い返してみると何かでき過ぎなのだが、まったくもって縁とは不思議なものだと妙に感心していた。

粟屋朋子は福岡県の出身だ。
福岡県というと日本の5大都市にも数えられ都市部のイメージがあるが、実際には博多近辺が栄えているだけで、少し足を伸ばせば、かつての炭鉱町やのどかな田園風景が続く田舎が広がっている。
朋子はそんな田舎で生まれ育った。
幼い頃からそこそこ賢かった朋子は地元の進学校から神戸の大学へと進み、ちょっとはっちゃけて大学デビューを果たした。
前述の武田と出会ったのはその頃である。武田はぱっと見の良い男で、その頃はちゃらいサークルの幹事をやっていた。
神戸という都会にやってきたばかりの朋子は、すっかりと騙され良い玩具にされてしまったのである。
それでも武田について歩けば自分のしらなかった楽しいことが色々と多く、朋子にとってそれはそれでいい思い出だった。
朋子は大学卒業後、関西の洋服メーカーに就職し、同じ部の先輩とあっさりできちゃった婚。
その後は、旦那の転勤について千葉へやってきていた。

ところで朋子の出身校である福岡の進学校は結束が固く、毎夏、関東在住者による同窓会を盛大に行っていた。
今年は関東支部同窓会の幹事が朋子の卒業年度に割り当てられており、今日はその集まりだった。
すでに色々なつてから連絡名簿が作られており、専業主婦連はお昼から早々に集まって旧交を暖め、幹事会に向けての更なる連絡名簿の作成などを話し合った。
まあ、4時間以上、無駄話をしていただけだが。

と、そのホテルに武田が居たのである。

専業主婦連との連絡会議が終わり、友達に囲まれてホテルのロビーを歩いていたときに、それは起こった。
朋子が歩いているとき、ロビーの椅子に座って新聞を読んでいた男性が顔を上げるのが目の端に見えた。
その男性がすっと立ち上がったので、朋子は何かと思ってそちらを向いた。
途端に二人の顔がぎょっとなった。朋子が友達と共に歩くにつれ二人の距離が徐々に狭まっていく。

橋下?
武田君?

互いに同時に声が出た。

うわー橋下、久しぶりだなあ。お前、東京にいるのかー。
武田君こそ東京なんだー。

男性から旧姓で呼び捨てにされるのは久しぶりだった。
朋子の友達が興味深そうに二人を覗き込むので、朋子は大学時代の友達と簡単に紹介した。
武田は軽く会釈した。
ホテルの出口が近かったので友達たちとは再会の約束をし、朋子は5,6歩下がってもう一度、武田のもとまで戻ってきた。

友達とランチ会かなにか?
うん、高校時代のね。今度、こっちで同窓会があるから。
幹事会みたいなやつか。え、今、こっちにいるの?
そうそう。武田君は?
俺は出張中。ここ泊まってるんだけどね。
えー。リッチじゃーん。
 
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