2ntブログ
--/--/--

スポンサーサイト

2015/05/19

タケシのことを思っていたリカコだが告白に踏み切れなかったのには訳があった



ずっとタケシを憎からず思っていたリカコだが、自らが告白に踏み切れなかったのには訳があった。
それはタケシの職業がテキヤだったからである。
タケシは神奈川一帯に根を張る伝統的な神農団体に所属していた。

正直に言って、普通の社会に生きてきたリカコにはテキヤとやくざの違いがよく分からない。
タケシが間違いのない良い男だというのは、周囲の評判からも自分自身が見てきたタケシの人柄からも理解はできる。
だが常識的な両親に育てられ、普通に高校から大学へと進み、一般的な生活を送っている自分がやくざと付き合うとは、これから一体どうなってしまうのか不安があったのだ。

二人が付き合い始める随分と前のある夜、地元のパーティの2次会でリカコはタケシに直接聞いてみたことがある。
もちろん、タケシが何を聞いても怒らずに教えてくれるとリカコは分かっていたからだ。

だってテキヤってやくざなんでしょ?
いや違うって。やくざは8、9、3。足して0。役に立たないの。
足したら20だし。なんの話か分からないよ。
花札だよ。
いま花札の話してないじゃん。
あー。うん。あ、やくざは博打で稼ぐ人。テキヤは商売で稼ぐ人。
ジェットスキーも商売なの?
そうだよ。海の家とかもそう。
縄張りとかあるんでしょ?
あー。まあ庭場はあるね。地元に関係ないのが海の家やったら面倒じゃん。
じゃあ縄張り争いもあるってことでしょ。
いや、そういうの滅多にないし。上の方で取り決めがあるからさ。
それってやっぱりやくざと同じじゃないの。
んーとだからほら、縁日で出店なかったら寂しいじゃん。
うん。
ああいうの。人が来ないようなとこまで生活物資と笑顔を届けるんだよ。
それ自衛隊の仕事でいいんじゃない。
あーなんか俺、頭が悪いからうまく言えないんだけど・・・
うん。
なんか日本人にはハレとケってのがあってさ
ハレの日ね。よく聞く。
そうそう。お祭りとかワクワクする所に行って喜んで物を買ってもらう商売
うん。
それがテキヤって思ってもらえると分かり易いね。
でも喧嘩するんでしょ。
しないって(笑)

この日、リカコはお酒を飲んで少々甘えていたのかもしれない。
地元で慕われてるタケシのことは大好きなのだが、結局、テキヤというものがなんだかよく理解できなくて、リカコは踏み切れずにいたのだった。

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


2015/05/18

覚悟していたほどの痛みもなくタケシのアレはにゅるっと吸い込まれていった



リカコは夏の終わりにタケシからの告白を受け入れてしまった。
あんぽんたんだが真っ直ぐで優しい、自分なりに見てきたタケシの人柄に間違いはないと信じたからだった。

タケシの告白があってから数日後、今度の休みはドライブに行こうとタケシが誘ってきた。
あーこれはきっとセックスに誘われてるんだよねとリカコにも分かったが、気持ちだけではなく確かなつながりが欲しいと思っていたので、タケシの思いを受け入れることにした。

当日、タケシはオンボロの軽トラックをどこからか借りてきていた。
私のボルボでいいじゃんとリカコは言ったが、運転は男がするものだとタケシは譲らず、軽トラックでのドライブになった。
実際、好き同士の若い二人でいれば、車なんかなんでもいいのだ。その日は終日楽しい一日となった。
そして夕方、タケシがハンドルを左へと切り、車は緑色のカーテンが垂れ下がるホテルへ吸い込まれていった。

部屋に入ると二人は立ったまますぐに抱き合った。
リカコはタケシの腰に手を回し、タケシの腕もリカコの背中を覆った。
タケシの胸に深々と頬をうずめ、リカコは今のこの幸せな気持ちを満喫した。
ふっと顔を上げ互いの顔を見つめ合うと、二人はごく自然にキスを交わした。
今回は誰にも邪魔されないねと、何度も何度もキスをした。

数分もキスをしたがろうか。
タケシがなかなか次の展開に移らないので、リカコもどうして良いか分からず二人はそのまま抱き合っていた。
タケシの頬がリカコの髪に触れている。互いに目を合わせないその状態のままタケシが話し始めた。

あのさ。。。ちょっとあれなんだけど。俺、初めてなんだ。

えっと驚いてリカコが顔を上げると、まだ幼さの残っているタケシの頬が見るみる紅潮していった。

そんな見んなよ。
いや。うん。わたしも初めて・・・なの。

お互いに相手が経験豊富だと思い込んでしまっていたのだ。何か二人して笑ってしまった。
ベッドの傍でそれぞれが後ろ向きで服を脱ぎ、リカコはシーツに滑り込んだ。

リカコは初めてだったが、怖いとは思わなかった。
タケシの掌がリカコの乳房をまさぐり、舌が乳首を舐め上げると嬉しさがこみ上げてきた。
思わずタケシの頭を抱え込んでしまったほどだった。
タケシの右手がリカコの腹を滑り大事なところに降りていったときも自然と足が開いた。
タケシの指はぎこちなく、リカコは気持ち良いのかどうかも分からなかったが、初めて同士の二人は必死だった。

タケシはコンドームの袋を手に取ると、パッケージを破って、ゴムを亀頭の先端からかぶせていった。
リカコはあれが入るのかあと興味津々でタケシとアレを見ていた。

いいか
うん
あれ? えっと
いたっ。もうちょっと上。上。
ここか

リカコには覚悟していたほどの痛みもなく、タケシのアレはにゅるっと吸い込まれていった。

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


2015/05/17

リカコはスマホの画面から顔を上げ車窓に流れていく工場の灯りを見つめた



5月の夜、遠藤リカコは東西線に揺られていた。

あの時のタケシ可愛かったなー(笑)
絶対にお前を幸せにするからなんて宣言してたし(笑)
あ、そうだ。もうすぐ誕生日だし、可愛いタケシ君にバイト代で何か買ってあげよう(笑)
あいつ、なにだった喜ぶかなー。靴とか? 麦藁帽(笑)
あ、やっぱシャツかなあ。

明日もきっと楽しい一日になる。
リカコはそう確信しながらスマホの画面から顔を上げ、車窓に流れてゆく遠い工場の灯りを見つめた。

遠藤タケシに続く
 
>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


2015/05/16

楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた



5月の金曜日、楠タケシは房総の親分さんへの挨拶のため千葉へと急いでいた。
明日行われる富津海水浴場でのイベントに、ジェットスキーを貸して欲しいと頼まれたタケシたちの親が、それなら人間ごとまるっと貸しましょうと安請け合いしたためだ。
友好関係にある神農同士のこうしたやりくりは比較的よくあることだ。

日ごろから頼まれごとは自分らの商売以上に重要だと教え込まれていたタケシたちは大慌てで準備を整えた。
タケシの兄貴分もやって来ててきぱきと指示を出し、若い者たちはアクアラインを使って前入りするように、またタケシは房総の親分さんに挨拶に伺うようにとのことだった。
親分さんに挨拶とはタケシには初めての経験である。

兄貴、挨拶ってやっぱスーツですか。
あほか、お前。仕事着でいいんだよ。稼業なんだから。
いいんですか。
いい。ただし背筋伸ばしてビシッと挨拶な。
はい。
それからこれ。藤沢の叔父さんから。
なんすかこれ。
房総の親分さんに。お見舞いだと。
あー聞いたことあります。
若い頃、世話になったって話だ。
利根川の話しですね。
おう。それそれ。

というわけで、余ったジェットスキーを1台、軽トラに乗せ、簡単な地図を頼りにタケシは千葉に向かっているのだった。
その道すがらタケシはリカコに電話を入れた。

明日は富津で仕事なんだけど来るか?
千葉? いくいくー。
リカコ、バイト終わり何時なんだっけ?
8時半くらいかなあ。
じゃあ津田沼23時待ち合わせでどうだ。
津田沼? うーん。オッケー。急いで行く。
ゆっくりでいいよ。23時な。
うん♪

去年の夏から付き合っているリカコとの関係は良好で、タケシはリカコの声を聞いているだけでも幸せな気分だった。
本当は週末といわずいつでも一緒に居たい、そんな心持ちだった。

よーし、そんじゃ一丁頑張るか。

周りを行く早い車からばんばん抜かれながらも、軽トラはタケシの軽快な運転で京葉道路をひた走った。

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


2015/05/15

件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった



件の親分さんの屋敷に着いたのは夕方の早い時間であった。
広い屋敷の隣はトタン作りの工場のようになっており、だぼシャツ姿の兄さん方が明日の準備かトラックへの出店の積み込みをやっていた。
タケシはその工場の隅っこに車を停め、兄さん方に軽く会釈しながら、屋敷の玄関に入っていった。
昔ながらの造りの家である。玄関をくぐると、一瞬、空気がシンとしたような気がした。
雰囲気に押されまいと、タケシは大きな声を張り上げた。

ごめんください。

その声に応えて、屋敷の奥から現れたのはスーツ姿にリーゼントのいかつい男だった。
兄貴、スーツじゃねーかよー。俺、Tシャツとジーンズで来ちまったよー。とタケシは思ったがもうしようがない。負けられない。

はい。なんでしょう。
神奈川の○○会の楠と申します。富津のお手伝いに参りました。親分さんにお目通りを。
お待ちください。

男が立ち上がって奥に退こうとすると、座敷の方から声が聞こえてきた。

聞こえた。聞こえた。上がってもらえ。
はい。どうぞ。

房総の親分さんの声だろう。いよいよ緊張マックスである。タケシは靴を脱いで端に揃え、男の後について座敷の入り口に立った。

失礼します。

深々と下げた頭を上げると、座敷の真ん中にはベッドが置かれ、柔和そうなおじさんが半身を起こしていた。
タケシは男に導かれて少し離れた場所に正座をした。親分の目を見据えた後に、再び頭を下げる。

初めまして。神奈川の○○会の楠と申します。○○に言われまして富津のお手伝いに参りました。
うん。無理を言ってすまないね。遠いとこ良く来てくれた。

雰囲気に飲まれまいと気張って声を張り上げるタケシに対して、親分さんは物腰の柔らかい声だった。

○○からくれぐれ宜しくと。それと、これは藤沢の叔父貴からの託けです。
藤沢っていうとあれか。源ちゃんか。あいつは元気にしてんのかい。
あ、はい。なかなか私ではお会いする機会もありませんが、元気にバイしてらっしゃいます。
そうかそうか。あいつも律儀だな。

親分さんの眉が垂れ下がり、昔を懐かしむような顔になった。

あいつが食えないときに利根川のアサリ掘らせてたの俺なんだ。わっはっは。
はい。酒の席で叔父貴から聞かされております。
そうか。そうか。わっはっは。げほげほ。

いかつい男がそろそろとタケシに目配せし、親分!とベッドの傍に移った。

うん。分かった分かった。じゃあ悪いけど明日は頼むよ。あと神奈川にもよろしくな。
はい。承りました。

タケシは再び深々と頭を下げ、男に導かれて座敷を後にした。
時間にすれば10分も経っていないのだが、背中には汗をかいているようだ。しかし、タケシはなんとかやり切った感じでほっとしていた。
と、ここでいかつい男が「若い人たちに」と内ポケットから封筒を取り出した。
そんな展開は予想もせず、どうして良いか分からなかったタケシがまごまごしていると、「こういうのはもらっとくもんだ」とやっと男が笑った。

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


2015/05/14

母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。



タケシは軽トラに戻ると、いかつい男からもらったご祝儀をダッシュボードに突っ込んだ。
妙な言葉遣いをしなかったか。俺はうまくやれたのかなと、今になって脇汗が吹き出してきた。

(まあ、なるようにしかならねえしな。)
(怒られなかったんだから大丈夫だろう。)

タケシは親分さんの家から軽トラを出しリカコと待ち合わせの津田沼へと向かった。
リカコとの待ち合わせは23時だったので、まだ全然余裕だ。
夕焼けの中、市道をのんびりと走っていたタケシは、道沿いの先にデニーズの看板を見つけた。
一仕事終えた感でくたくただったタケシは、ハンドルを切って車をデニーズの駐車場に滑り込ませた。
荷台に結びつけたジェットスキーのロープの張りを確認して、タケシはデニーズに入って行った。

オムライス。

リカコとの待ち合わせまでにはまだ随分ある。軽く食事をすませておこうとタケシは注文した。
「デニーズは、やっぱりオムライスだよな」独り言をつぶやいてタケシは一人笑った。
オーダーを取りに来たパートは一瞬怪訝そうな顔を見せたが、かしこまりましたと注文を通しに下がっていった。

子供の頃、親父と一緒にデニーズに来たよなあ。

タケシの父親は肉体労働者で川崎の工場に通っていた。
タケシとはよくキャッチボールをして遊んでくれた。今で言う子煩悩な親だった。
キャッチボールが終わればデニーズだ。

「お前玉投げるの早くなったなあ」
「うん」
「よし。何でも食え。アイスか?ジュースか?」
「なんでもいい?」
「おお。何食いたい。」
「オムライス!」
「腹減ったのか。」
「うん。」
「そうか。よし大きくなれ。ねえさん、オムライスな。」

こんな時の父親は上機嫌だった。
自分はビールを飲みながら、タケシがオムライスを食べるのを目を細めて見ているのだった。
二人の話題は大抵野球で、ベイスターズの選手の一人ひとりについて語り合った。

そんなタケシの父親はタケシが10歳の時に亡くなった。
交通事故だった。

保険だか年金だか慰謝料だかで生活は苦しくなかったはずだが、母親が塞ぎ込んでしまった。
そんな母親を勇気付けようとタケシ少年は家事を手伝い、勤めて明るく振舞った。
数年で母親も明るさを取り戻したが、それはタケシの功ではなく、タケシの知らない大人の男のおかげのようだった。
母親はなにか綺麗におめかしして出かけるようになり、15のタケシにもなんとなくそれは分かった。
母親はタケシを気にしてか男と籍を入れることはなかったが、タケシには気に食わなかった。
タケシは荒れて学校でも大暴れし、いつしか暗い世界にも出入りするようになって行った。

(ちぇ。暗いこと思い出しちまったな。)

今ではタケシにも母親の気持ちが分かるようになり、普通に接することができるようになっている。
母親には自分を守ってくれる力強い大人の男が必要だったのだ。

(俺が子供だったんだ。大人の男になりゃいいんだよな。)

タケシは運ばれてきたオムライスにスプーンを刺し、大きな口でぱくついた。

>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。

みんなが読んでる話題の情報
  1. 女性の性欲発動スイッチSMS
  2. 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
  3. 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~


アクセスランキング ブログパーツ