熱い風呂に体を沈め随分と体が温まった。俊介は風呂をあがりパジャマに着替えると居間に戻った。テーブルにはベーコンとキャベツのスープ、それに暖めたパンが用意してあった。
「ビール?」
恵子が聞いた。
「いやバーボンにしよう」
寝酒にバーボンのロックを飲むのが俊介の癖である。
「今日ね、ちょっと良いのをもらったわ」
恵子がキッチンからちらっとボトルを見せた。(メーカーズマークか・・・)恵子が封を切り、ちょっと洒落たグラスに氷を入れて注いだ。(透明なグラスの方が良いんだが・・・)
「はい、どうぞ」
とバーボンの並々と注がれたグラス、それに氷とボトルがテーブルに運ばれた。俊介は人差し指でグラス内の氷をかき混ぜ、バーボンを口に含む。火照った体に冷たいバーボンの飲み心地と刺激がいい。
「どう?」
「悪くないよ」
「良かった」
「誰にもらったの?バーボン」
「西原さん」
(あいつか・・・久々に名前を聞くな・・・)と思いつつスープを飲む。食卓に出されたものは全て食べ、飲む。これも俊介の癖だった。
「ふーん。これ美味しいよ」
「よかった。じゃあ先に寝るね」
恵子が立ち上がった。
「うん」
と答えテレビのリモコンを探しながら、俊介は西原純子のことを思い出していた。
西原純子は恵子が入院していた病院の介護士だった。俊介や恵子よりは年上で、なかなかの美人で、院内でもやり手だったが、何かお仕着せがましいところがあり、どうにも俊介は好きにはなれなかった。一方、恵子は入院中に随分と話し相手になってもらったこともあって好意を持ったようだ。退院時も携帯の番号を交換し、その後も交流が続いていた。
その内、西原は俊介のマンションにも遊びに来るようになり、俊介が仕事に疲れて帰宅したときも、夕食を一緒に取るような付き合いとなっていた。恵子は長野にはまだ友達が少なく、西原が恵子の相手をしてくれることはありがたかったが、女同士で結託して俊介をからかうような態度を取ったこともあって、俊介は一度、「あまりプライベートまで立ち入って欲しくない」と西原にそれとなく伝えたことがある。その時の西原は「今は恵子さんにとって一番大事な時期だから。心のケアが必要なのよ。俊介さんにそれができる?」と、俊介に対して猛反発した。だが、それ以来、西原はマンションに居座ることはなくなった。いや、少なくとも俊介が帰ってくる前には家を出ているようで、俊介と顔を合わせることはなくなった。
(今でも付き合いがあるんだな・・・)
俊介はそう思いながら、バーボンのグラスを空けた。結局、俊介はスープとパンを腹に収めるまでにグラス4杯のロックを空け、寝る前のトイレと思い立ち上がったときにはふらついてしまった。少し動悸もする。
(飲みすぎたか・・・熱でもあるかな・・・)
そう思いながら恵子と別の寝室へ行き、倒れこむように寝入った。
(´ー`)y-~~ まったり進行です。
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