お疲れーっす
森健太が
陽子や
愛子と出会う数時間前のこと
福山第一興業金丸組では男達の歓声が飛び交っていた。
喧嘩などではない。それは男達の歓喜の声だった。
市の余った予算と補正予算が突っ込まれた
港に通じる大通りの補修工事が今日終わったのだった。
お前らがしっかりやってくれたんで
予定よりも半月も早く終わったんじゃ。
事故もなく安全に終わったのが一番やのー。
流石じゃった。お疲れ。
荒くれどもが神妙な顔をして社長の話を聞いていたが
最後に社長が社員を持ち上げた一言で皆わっと盛り上がった。
仕事が無事終わったことで、社長も皆も上機嫌だった。
森健太もここ数ヶ月、ずっとこの工事に携わってきていた。
社長や事務方はこれからが大変だろうことを知っているが
兎にも角にも現場は上がったのだ。
現場の責任者として健太は晴れがましい気分だった。
社長が段から降りてホクホクと社長室に戻っていく途中
健太にも声をかけてくれた。
体のでかい健太はどこから見ても目立つ。
それだけではなく健太は社長に目をかけられていた。
おう。モリケン。今回も頑張ったらしいのう。
いえ。先輩らーに助けられました。
おう。ええ心がけじゃ。
社長が健太の肩をポンポンと叩いた。
健太は修行で金丸組に来ているが本来、森組の三代目である。
腹違いの兄貴が今は森組の経理として組を率いているが
いずれは健太が森組を継ぐことは誰もが知っていた。
周りのおっさん連中も、モリケンお疲れと
若い連中も、健さん、お疲れっすと健太の労をねぎらった。
組とか跡取りがどうとかの事情に関わらず
健太は男を引き付ける男であった。
わっと盛り上がった連中はそれぞれが飲みに出かけた。
健太が書類を整え会計に引継ぎ終わり着替えていると
若い衆の安藤洋二がやってきた。
健さん、お疲れっす。
おう、洋二。お疲れ。お前もよー頑張ったのー。
健太は洋二をねぎらった。
- 関連記事
-
>> どのストーリーでもあなたの琴線に触れたなら、1クリック応援をよろしくお願いします。
みんなが読んでる話題の情報
- 女性の性欲発動スイッチSMS
- 美人専用逆ナンパシークレッツ ~ たくさんの美人が向こうから勝手にあなたにすり寄ってくるこの魔法を知りたくはないのですか? ~
- 唯一無二の女になるための5stepのエッセンス~九州恋愛コンサルタント内野舞Presence~
コメント