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2014/08/22

悪がき洋二の策略



健太と洋二はカップルを作ってくれるという居酒屋の前で落ち合った。
案内された席の隣には首尾よく女性の二人組が座っており
一人はお姉さん風もう一人は純情そうな子だった。

洋二が話しかけるとお姉さん風ののりがよく相席に持ち込むことができた。
お姉さん風つまり陽子は積極的で、健さんになれなれしく触っていた。
こりゃあ気があるに違いないと洋二は気を回した。
じゃあ俺は愛子ちゃん狙いだ。

2時間はきゃいきゃいと馬鹿な話に花を咲かせただろうか
洋二が2次会のカラオケを提案すると女性二人がトイレに立った。
きっとどうする?どうする?って話してんだなと洋二は思った。

健さんはやっぱ陽子ちゃん狙いですか。
俺がねらっちょるわけじゃないけどのー(笑)
分かりやすいっすよね、あの子。
まあ、俺の好みも陽子ちゃんの方じゃけどの。

聞くまでもなかった。健太は来るもの拒まずなところがある。
昨日は人妻とやったとか、一昨日は若い姉ちゃんだったとか
わいわいと会社で皆に話すのが常だったからだ。

洋二。俺もトイレ行ってくるわ。これで会計終わらせちょけ。

健太が財布から2万円を取り出した。

あざーっす。あのー女性の分もいいんですか?
おう。そんなせんやろ。全部払っちゃれ。

それだけ言うと健太はテーブルを後にした。
自分も少し出そうと洋二は財布に手をかけたて思い出した。
洋二の財布には”例の媚薬”が入っていたのである。

皆が帰ってくる前なら飲み物に混ぜられるぞ。
洋二は実際、薬でどうこうしてやろうとは考えていなかった。
一万円も払って買ったのが勿体無かったので使ってみたかっただけである。

洋二は慌てて2つの包みを財布から取り出した。
どちらの包みも似ていて睡眠薬か興奮剤か分からなくなっていた。

半分ずつ入れればいいやと、取りあえず一つの包みを開き
陽子のグラスを持って粉を注いだが、焦っているのか上手くいかなかった。
早くしないとどっちかが帰ってきてしまう。

慌てて包みの角度を変えると
今度はばさーっと五分の四くらい一気に入ってしまった。
陽子の元々透明に近いドリンクが粉っぽくなってしまった。
慌てて箸でかき混ぜるとなんとか見られる形にはなった。

一方、愛子のグラスにはカルアミルクが結構な量残っていた。
カルアミルクは多少粉っぽくなっても気がつかれないだろう。
開いた包みの残りともう一つの包みの全てを愛子のグラスに注いだ。

洋二は愛子のドリンクを箸でかき混ぜると急いで会計に向かった。
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