まったく。なんで関係もない人間を結婚祝いに呼ぶかねえ。
危うくよいしょと言いかけてあきこは席に座り、一人考えた。
あきこの見た目は29歳にしては若作りだ。
短めのタイトスカートと白いブラウスがお気に入りで、高いヒールを好んで履く。
鎖骨が広く、首はすっと伸び、ワンレンの髪と相まって
若い頃には秘書課の女性と間違えられたくらいだ。
最近では年相応に贅肉が付き、少し崩れたその体系は
社内の中年男性から好奇の目で見られることが多かった。
もっとも、あきこより年配の社員はあきこの開けっ広げな性格を知っており
エロというよりは友達感覚でセクハラ発言をしてくるのだった。
あきこはそんなとき「はい、それセクハラー。」
と笑い飛ばすことが多かった。
もちろんそれだけが理由ではないだろうが
社内の特定女子グループからは完全にお局様扱いされていた。
仲のいい子はいっぱいいるし
30を越えても独身の社員もいっぱいいるんだからいいじゃん。
若い女の子の結婚祝いで少し弱気になった自分を否定するように
あきこは電車の席で考えなおした。
でもそう言えばあの時、結婚してたら今頃どうなってたのかなーと
あきこは酔った頭で回想を始めた。
あきこは23歳の頃に島根から上京してきた2つ年上の男と恋愛をした。
格好のいい優しい人だった。
なにせ純情同士の恋愛だ。キスさえも震えていたような気がする。
あの頃のことを思い出すとなにか甘酸っぱい思いが胸をくすぐるのだ。
あきこの一番の思い出は、彼のオンボロ車で鴨川シーワールドまでデートに行ったことだ。
本当に好きだったけれども、スタバも無いような島根には住めないよー
と冗談で言っていた結果、最終的に振られた。
彼を傷つけるつもりは無かったが、千葉に生まれ都内の短大を出たあきこには
島根での生活は想像できなかった。
彼についていったらどんな生活になっていたんだろう
少なくとも、お局様なんて影口はないよね
と、あきこは酔った頭で考えていた。
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コメント
私事ですが・・・
僕も嫌いじゃない方なもんですから
べろんべろんで家に帰り着くことが多いです。
んなわけで色々と妄想が捗ります。はい。
2014-06-11 23:17 はるお URL 編集