高校の頃の順子は、自分こそが日本のナイチンゲールになるのだくらいの勢いで勉強をしていた。
したがって大学に入学したての順子はまだ生娘だった。
大学でも勿論、勉学に勤しんでいたわけだが、しかし年頃の娘である。
しかも美人でグラマラスとくれば、回りが放っておくはずもない。
友人に頼み込まれコンパ要員として担ぎ出されることが何度もあった。
もちろん、ちゃらい男に興味のない順子は適当な愛想笑でお茶を濁すことが多かったが、それでも何人かの男性とは付き合った。
初めての経験は大学の2年だった。その男性とは半年近く付き合い、星降る丘で初めてのキスを交わし、そしてその夜の内にホテルで結ばれた。
充分に発達していた順子の体に痛みはなかった。むしろ意中の人と結ばれた喜びに順子は涙した。
しかし行為が終わるととたんに男の態度が冷ややかになった。
それは恐らく臭いのせいなのだが順子はまだそのことに気がついてなかった。
その男とは何度か交わったが、初めてのセックスから3ヵ月後に振られた。
男の素っ気ない態度に白けていた順子にはなんの感慨もなかった。
学生時代にはもう2人と付き合うことになったが、ことが終わるといずれも同じように素っ気ない態度になってしまうので、順子は男とはそういうものなのだと思うようになってしまった。
晴れて国家試験にも受かり、順子は念願の病院勤務となった。
希望に胸を膨らませた新人ナースが配属されると院内は大いにざわめくものだ。
手癖の悪い男性医師、患者、意地悪な女医に先輩ナース。何につけても目立つ存在の順子はここでも格好の餌食だった。
しかしながら、中学校時代の逆境に慣れていた順子にとって、大人の陰湿ないじめなど鼻くそほどにも効かなかった。
順子はしっかりと芯のある女性に育っていたのである。
そんな中、順子は一人の男性医師と恋に落ちた。まずいことに、順子が配属された科の真面目な若い先生である。
周りの皆にばれないように二人の秘めた恋が始まった。
その先生は30を越えたところでちょうど結婚適齢期。
二人の交際は真面目なものだった。
そして二人が結ばれるその日、男性医師はどうしても起たなかった。
曰く
君、これはスソガだよ。僕には無理だな。
順子は愕然とした。
自分でも臭いのことは十分に意識していて、これまでケアしてきたつもりだった。
これまでの男はなにも言わなかった。言ってくれなかった。それは優しさなのかもしれない。
だが初めて結婚まで意識した男性に、くさい、臭い、クサイと言われてしまったのだ。
医師とはその場でお別れになってしまった。順子は更に混乱した。
仕事の上でもケアレスミスが多くなり、何か職場でいじめられているという錯覚にも陥った。
だが頼りになるえっちゃんはもういない。
そんな時にたまたま出会ったのが、元患者の和久井という男だった。
和久井は35歳で、見かけがよく、物腰も柔らかい既婚の自営の男だった。
和久井は紳士的に言葉巧みに順子に取り入っていった。
そんな和久井の本性は、心をやられていた順子が体を開いた後に徐々に明らかになっていった。
和久井はSだったのである。
最初は普通のセックスだった。
順子とのセックスが終わっても和久井は優しく、これまでと態度が変わらなかった。
普通に食事にも行くし、順子の休日に合わせて遊びにも連れて行ってくれる。
順子にとってこれは初めてのことだった。
和久井は既婚だが心を許せる。優しい人だ。
順子はそう思った。
だが、和久井が優しかったのはその先に楽しみがあったからだった。
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