福山駅で二人は電車を降り、改札から5分程度歩いた。
陽子が選んだお店は入口の明るい大きな居酒屋だった。
暖簾をくぐってみると客の入りは良いようで
入口近くの個室もそれなりに席が埋まっていた。
やってきた店員に二人ですと言うと席に案内してくれた。
店内は注文を通す大声が響き、また時折、団体客の
わっと笑う声が響き渡って、大いに賑わっていた。
愛子たち二人が案内されたのは
店の一番奥の4人掛けテーブルだった。
愛子はできれば個室風に切られた席が良かったのだが
予約もしていないし、この込み具合では難しいのだろう。
隣の席が空いているのでまあ良いかという感じだった。
席について陽子が中ジョッキを頼んだ。
愛子はドリンクメニューからピーチハイを選んだ。
御新規さん!中ジョッキ!ピーチハーイ!
ありがとうございまーす!
元気な店員が叫びながら厨房へ消えていった。
店員を見送った後、陽子から口を開いた。
地元の子らーと会いよるん?
あたしも広島に出ちょるけーね。
あんまり会わんのんじゃ。
うん、たまに電話で話したりするけど。
だれだれ?
圭子とかくーちゃんとかやっちゃんとか。
ブラバンの子らーじゃね。
うん、やっちゃんも広島おるけーね。
でも会わんの?
先月、お昼一緒にしたけど、そんくらい。
地元おってもあんまり会わんの?
みんな仕事しよるけーね。
会社の人らーと遊びよるん?
うん、あたしバトミントン始めたんよ。
へえ
市民スポーツみたいなん。会社の子と。
じゃ休みの日はバトミントン?
腕、太くなったんよー(笑) 見て、力こぶ。
あんまり広島から出んのんじゃねー。
そうじゃねー。実家も帰らんし。
そこに最初の飲み物が運ばれてきた。
二人はグラスとジョッキをカチンと合わせた。
かんぱーい!
かんぱーい!
それで陽子ちゃん。神戸はどうなん?
愛子が興味津々で訊ねた。
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