洋二からの反撃を食ってはたまらない。
何か武器になるものはないかと愛子が周りを見回すと
ベッド横のテーブルの上に、大きなガラスの灰皿があった。
愛子はそれを手に取ると間合いを取りながら洋二の背後に回った。
洋二はまだベッドの上で丸くなり股間を押さえて震えていた。
愛子はガラスの灰皿を振り上げ、洋二の腰にそれを打ちつけた。
灰皿は洋二の腰骨に当たってゴギンと音がした。
いでー!
これもクリーンヒットである。
加減など分からない愛子はそれを3度繰り返した。
その内の一つは、洋二のわき腹の下あたりに入った。
身の危険を感じた洋二が横腹を手でかばった。
愛子が4度目に振り下ろした灰皿はその肘を直撃した。
ぐあーっ!
洋二は腕を前にしてかばい、一層体を丸めた。
その体勢をとったせいで洋二の尻がむき出しになった。
愛子は灰皿を横に構えるとそのお尻に向けて一撃を放った。
金玉を狙ったのであるが、その一撃は洋二の尾てい骨を直撃した。
があーっ!
興奮した愛子には、なにがなんだか分っていなかった。
丸まっている背中にもう何度か灰皿を打ち付けていると
とうとう洋二が泣き出した。
悪かった。許してくれ。悪かったけえ。
頼む。許してくれ。
部屋を見渡すとワンピースとカバンがソファに置いてあった。
愛子はいつでも取れるところに灰皿を置き、素早く服を身につけた。
ストッキングやパンティが見当たらないが、そんなのどうでもいい。
足元にあった白のサンダルを履くと、愛子は部屋から飛び出した。
エレベータが来るまでの時間がとてももどかしく感じられたが
洋二は追ってこなかった。
幸いなことにホテルは大通りからさほど離れてなく
愛子はすぐにタクシーを捕まえることができた。
尾道まで。
タクシーが走り始め、ホテルから出てきた交差点が遠のくにつれ
愛子はやっと落ち着きを取り戻した。
今頃になって腕がブルブルと震えてきていた。
愛子は
陽子に電話をしようと思ったがやめた。
あの子は裏切り者だ。悔しい。
代わりに
東野誠一郎に電話した。
もしもし。
あたし。誠ちゃん。。。いつ帰ってこれるん?
なんだ愛子。あれ? どうした。お前泣いてんのか?
その日の誠一郎の声はいつもよりも優しく感じられた。
愛子は尾道までの道のりをずっと誠一郎に甘えたのであった。
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