怜奈はうす暗がりの中でベッドに横たわり、桜井の求めに応じて片方の膝を立て、股を大きく広げていた。
股間に桜井の頭が蠢いているのが分かる。
多分、桜井の舌であろう。柔らかな羽のような感触が太ももをのぼり、いよいよクロッチの部分に近づいてきているのを怜奈は感じていた。
怜奈さん・・・。
今日、何度目かの桜井の呟きが怜奈の耳に響いた。
結婚前のアバンチュールだもの。怜奈にはそれほどの罪悪感はなかった。
それよりもむしろ、ショーツの奥に隠された蜜つぼの熱いマグマが今にも噴き出しそうで、それを悟られるのではないかと気が気ではない。
こんなに濡れるのは久しぶりかも。挿入の期待にお腹の中で子宮がうごめいていた。ほんの軽いタッチですら気持ちが良く、万が一身をよじると、ねじりを解かれたひだから愛液が零れだしていきそうな勢いだった。
・・・
ほんの数十分前、桜井はドアノブを引いて薄暗い部屋に怜奈をエスコートした。どこかは分からないラブホテルである。
怜奈を部屋に導きソファの前まで来ると、桜井はくるりと向きなおし、二人は立ったままきつく抱擁を交わした。互いに言葉はなかった。
桜井の腕の力がわずかに解かれると、ほどなくして怜奈の目の前に桜井の顔が迫ってきた。
桜井の背は怜奈よりも頭一つ高い。怜奈は顔を上げ、桜井の顔と逆の向きに首を傾げ、キスを受け入れたのだった。
先ほどのワインバルでのキスよりも激しいキスが始まり、暗い部屋に二人の舌が絡みあうぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃとした音が長く響いた。
しばらく口だけの愛撫を続けていたが、背中に回っていた桜井の腕が徐々に上がってきて怜奈の肩を抱き、もう一方の腕は怜奈の髪を抱え込むような形になった。
怜奈の首は上を向き、口は半開きのままの状態だった。そこに歯茎までぶつかってしまいそうな勢いで桜井の舌が差し込まれた。
怜奈は桜井の腰に添えた腕に力を入れて、自分が倒れてしまわないように腰に抱きついていた。
獰猛な野獣が獲物に喰らいつくような、若い、激しい愛撫だったが、怜奈は目を瞑ってその身を任せた。
いけないと思いつつ怜奈は抵抗できないでいたのだった。
その怜奈の”いけない”という感覚は、結婚前の女性がこんなことをしてはいけないという倫理的なものではない。
会社の年下の男の子と性的な関係になってはいけないとの意味である。
つまり来週から会社でどんな顔をして会えばいいのか困るとか、二人がうまくいかなくなったときに常に会社で顔を合わせるのは後々つらいとか、そういう意味での”いけない”である。
だが、獰猛なキスを受け入れつつ、怜奈はもう一方の頭で冷静に考えていた。
5月には結婚による円満退職が決まっている。二人がつらくなる期間など知れたものだ。
そう考えると、このままの流れに身を任せてしまっても良いのではないかと思うのだった。
何より今のシチュエーションに怜奈の体が、本能が、止まらなくなっていた。
もはや冷静さはどこかに飛び、激しいセックスへの期待に怜奈の頭はぼーっとし始めていた。
キスを続けながら桜井の腕が怜奈のスーツを胸元から除け、ブラウスの上から胸をまさぐってきた。
今日はカチッとした固めのブラをしてきた。それにも関わらず桜井は掌で包み込むように優しく怜奈の胸を揉み続けていた。
怜奈は胸が熱くなり、鼻の奥がつんとした。
はあぁん。
自分自身のスイッチが入ったのか、舌を絡めた強引なキスがつらくなり、息とともに鼻から小さな吐息をが漏れる。
桜井はそれに気がつき、いっそう舌を挿しこみ、強引なキスを始めた。腕はさっきよりきつく胸を揉み始めた。
(若いっていうか。あぁぁぁん。もう。)
怜奈は桜井の腰に回した腕をほどき、そっと桜井の股間に手をやった。怜奈の腰も抜けそうであった。
怜奈の手に触れたソレはあきらかに大きく勃起している。
怜奈は桜井が腰を引いたことでこけそうになり、驚いて目を開けた。
二人は一蹴のうちに相当な至近距離で目を合わせた。互いに真顔である。
少し間をおいて桜井が言った。
怜奈さん・・・
怜奈は桜井の目を見たまま次の言葉を待った。
ぃぃですか?
モテそうに見えて桜井は意外につまらないことを聞く。しかし、この期に及んでも怜奈からアクションを起こさなければ何も進まないのだろう。
怜奈はそっと目を瞑り、こくんと頷いた。
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