席に戻りぼーっとしていると、まもなくステーキとハンバーグが運ばれてきた。さっき強く言ってしまったせいか、料理を運んできたのは男性の店員だった。不機嫌そうな目で俺の顔を覗き込んでくるような仕草だったが、俺は無視することにした。
勿論、気分はよくないが、それよりも先ずは肉だ。男はマニュアル通りに「鉄板が熱くなっておりますのでお気を付けください」と付け加えたが、俺はその言葉の終わりを待たずにナイフとフォークを手に取り、ステーキ皿に手をやった。不機嫌には不機嫌で対応だ。男は特段気にする風もなく伝票を置いて去っていった。
先ずはステーキだ。ソースを肉にぶちまける。肉から鉄板に落ちたソースがじゅっと音を立て、水蒸気がむわっと立ち上った。そんな熱さなど気にもせずに、端から肉を切っては口に運ぶ。
うまいな。(ウマイ)
唾液と混ざった肉の脂が、喉を通り、胃に落ちていく。肉の噛みごたえ、のど越し、胃が膨らんでいく感覚。体中に栄養がいきわたるようだ。これが生きている実感というものだろう。
俺は次々に肉を切っては口に運んだ。いくら食っても食い足りない。食欲旺盛な青年時代を思い出させる。
餓鬼だ。いくら食っても満腹感を得られない地獄で石を食うという餓鬼。まるであれだな。
なんだかちょっとタノシイジャナイカ。
不思議なことに付け合わせの野菜などには手が伸びなかった。夢中でステーキを食い終わり、ふと目線を上げると、周りの客が一斉に目を逸らしたのが分かった。
その中で唯一、ガングロギャルだけが目線を宙に泳がせていた。俺のことなど眼中にない感じだ。
けっ!あんな女じゃあ立たねえ(アレハ ナカマダ。)
は? 仲間?
何か妙な感じがしたがソレヨリモ ニクダという心の声に従うことにした。そうだ肉だ。
次はハンバーグだ。ステーキの皿を向こうにおいやって、ハンバーグを引き寄せた。鉄板もそれほど熱くなくなってる。
こいつもたっぷりデミグラスソースを回しかけて、大きめに切った塊を口に放り込んだ。
ウマイ。エイヨウガドンドンクル。
俺は兎に角、夢中になって肉をむさぼった。肉を切る。ほうばる。噛みしめる。喉に流し込む。水を飲む。肉を切る。ほうばる。ああ、そうか。あんまりがっついてるから周りのやつら感心して見てたんだな。肉はうまいぞお前ら。エイヨウニナル。コドモモタクサンウマレル。
ステーキとハンバーグの2食分の肉を食って、俺は満たされた気分になっていた。なにか心の底から活力がわいてくる。
ツギハセックスダ。
そうだな。次はセックスだ。腹が満たされたら次はセックスだ。
ソノタメノショクジダ。
そうだ。食事とは本来そういうものだ。女、オンナヲサガソウ。
イマスグニ。
そうだ。今すぐにダナ。
オレハ 携帯ヲ トリダシ ココラ辺りの 風俗ヲ サガシ始めタ。
幸いに診察のための金をたっぷり持っている。
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