木谷さんは、次はこちらですよといちいち俺の手を取り、院内の各受付を一緒に回ってくれた。
江波が木谷さんを俺に付けてくれたのはきっと同期のよしみだろう。俺の頭の中では、木谷さんが江波に頼み込んで俺に付いたという妄想が沸いたが、それについては何とか払拭した。
木谷さんが俺の手を引いて歩いてくれる姿は、他人から見ればじじいの扱いに違いなかったからだ。いわゆる介護者だな。
だが、実際、早すぎたり遅すぎたりする頭に体がついてこない状態の俺が助かったのは事実だ。
木谷さんがあまりにも好みすぎて、ずっと勃起が収まらないのも事実だったが。。。
江波は精密検査を受けさせると言ったが、俺の感じる限り、その内容は健康診断と大差のないものだった。
最初にカップを受け取り、特別にしつらえたトイレの中で検尿を取ってきてくれということだった。カップを渡してくれたのは妙齢のナースで一瞬で俺は再勃起した。が、妙な言葉を出さないように抑制し、トイレにこもって勃起が収まるのを待った。朝からトイレは我慢していたので、濃い尿を並々とカップに取ることができた。これには俺も大満足だった。
次に男に問診を受けた。頭で思ったことがうまく口に表せない。しようがないので、指さしで思うところを伝えた。きっと俺の答えに専門医も驚いたことだろう。今の俺は人の3倍増しの天才なのだ。頭は回っている。間違いない。
次に採血。採血ってのはあれだな。どうしておっぱいの近くまで腕を引っ張るんだろうな。もう触ってくれと言わんばかりに腕を引っ張り、固めのナース服に触れるか触れないかまで持っていく。おっぱい触ってほしいんじゃないのか。丁寧に腕まで触られてつい顔がにやけちまうよな。
そして身体測定。カーテンで仕切られた個室にナースと二人きりってのはどういうことだ。しかも検査着をウエストまで持ち上げさせて、俺の腹回りに抱き着いてくるなんて、これは好意の表れか。思わず勃起したものを看護師に押し付けてしまいそうになるじゃないか。
血圧の検査も採血と同じだが、こいつは大抵おばさんナースの仕事だ。あれは勃起した陰茎を通常状態に戻させるための所業に違いない。だが俺は違うぜ。にっこり笑っておばさんナースに腕を渡した。俺の血圧の高さにおばさんも驚いたことだろう。
肺活量の測定は今一力が入らなかった。今の体の状態ではしかたないだろう。そして、視力の測定、眼球の風圧検査。こいつはおっさんだったから何も感じない。強いて言えば目が痛てぇ。
続く、聴力検査は狭いボックスに一人きりなので勃起は収まったままだった。だがそのボックス内は雑音が溢れていて、俺はあまり上手にスイッチを押すことができなかった。あのボックスだけは改善すべきだと思う。
さらに肺のX線を取り、あとはバリュウム。胃の検査だ。あれは機械が上下左右に動くので体を支えるのに必死だったがなんとか乗り越えたぜ。一人きりになる検査は俺を不安にさせる。まあ、部屋から出るたびに木谷さんが待っていてくれるのが救いだがな。
そして心電図。狭い部屋におばさん技師と二人きりだ。妙にぬるぬるとした液体を吸盤に塗って、俺の足、腕、胸に吸い付かせる。いったいこれは何のプレイだ。勃起、勃起、勃起。まともな心電図なんか取れるわけないじゃないか。病院はあほなのか。
もう一つ、きつかったのは直腸検査だ。人様のけつに指を突っ込むなどバカげている。お前はどれだけ偉いというのだ。幸い男の医師だったから問題ないが、これが女だったら俺は貴重な精子を一発分まき散らしてるぞ。
この馬鹿どもが。
俺様を診察するのに健康診断的なものは何の意味も持たない。
と思ったのだが、木谷さんに手を引かれたそれぞれの検査は結構バラ色の夢見心地で、俺の頭の中はピンクで満たされ、やりてぇやりてぇの言葉がリフレインしていた。
唯一、健康診断でやらない検査がMRIだろう。ここだけは江波の配慮が効いていたのかもしれない。
そう言えばあいつ同窓会のときに、脳外科医はMRIが大好きだという話をしていたな。MRAだったか。忘れたが。
カンカンと音が鳴るのは気になるが、頭と下半身と分けて撮ってくれた。
随分と時間をかけていたが、あれはあいつの紹介状が効いてるんだろう…
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