結局その日は渋谷でイタリアンを共にしただけだった。
そこは隠れ家的なお店で、孝一はシェフとも友達のようだった。
別れ際にLINEの連絡先を交換し、その2週間後に2度目のデート。
恵比寿で待ち合わせて食事をし、夜景の見えるラウンジでお酒を飲んだ。
それでも孝一は特に誘ってこなかった。
そして今日が3度目のデートだ。
この間、LINEで何度もやり取りをし
恵理子は孝一をある程度信頼のできる男だと信じ始めていた。
なので今日誘われたら乗ってもいいかなと心の底では期待をしていた。
何より安全日なので妊娠の心配がない。
今日、恵理子は少しお洒落をして出かけた。
白のサブリナパンツに同じく白のTシャツを着て
その上にドルマンスリーブのベージュのニットを羽織った。
下着も白で統一し、レースの可愛らしいデザインの凝ったものにした。
孝一と会う前に、銀座のカリスマ美容師がいるというお店で髪を切り
毛先は内捲きのカールをかけてもらった。
快活で可愛らしいイメージに仕上がったと美容師が褒めてくれた。
鏡に写る姿は、自分でも少し自信の持てる仕上がりだった。
そして待ち合わせはもちろん銀座。あの椅子のある本屋だ。
出会いからやり直してみる。恵理子はそう考えていた。
なのであの日と同じ場所に座り孝一を待っていたのだ。
待ち合わせですか?
時間ぴったりに現れた孝一が小声で遠慮がちに尋ねてきた。
ああ、この人はやっぱり分かってる。恵理子は嬉しくなった。
はい。
差し伸べられた手を握り、恵理子はソファから立ち上がった。
周りの視線など気にせず、恵理子は香水のほのかに香る孝一の胸に飛び込んだ。
行こうか。
うん。
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