ごめんね。続きしようね。
再び祐樹の後ろ頭が、寺島の右手で抱えられ、左手で首の後ろの洗髪が始まった。
何事もなかったようにことが進んでいくので、股間の勃起に気づかれたかどうか、祐樹には確認のしようもなかった。
祐樹は再びこっそりと寺島の腋のにおいを嗅いでみたが、デオドラントの香りがするだけだった。
(ああ、やっぱり拭いてきたんだなあ。)
と祐樹は思った。ペニスがますます膨らみパンツのラインに引っかかって痛いくらいになっていた。
その間に寺島はシャワーのノズルを取り、起用に首のふちを流していった。
はい。後ろ終わり。あとかゆいとこない?
あの。
うん。
俺、あの、匂い嫌いじゃないです。
・・・
二人きりのシャワー室を沈黙が支配し、出しっぱなしの水の音だけが響いた。
しまった。脈絡もなくなんということを言ってしまったのだと祐樹は後悔した。
別に黙っていても良かったのだ。わざわざ言う必要なんかなかったのだ。
あーしまった。出した言葉は引っ込められない。困った。
あの。
あ、、うん。かゆいところある?
え、ああ。もうちょっと、もう一回、全体を洗って欲しくて。
うん。分かった。
またシャンプーのノズルを押す音がして、寺島の掌全体で祐樹の頭にシャンプーが塗られた。
わしわしと髪にシャンプーの泡が広がっていく感触がわかった。
ありがとう
小さな声が祐樹の左耳の傍で聞こえ、すぐにデオドラントの香りが祐樹の鼻をくすぐった。
あれ。さっき頭を洗っていたときはもっと角度的に上の方、洗面台の方に頭があったはずなのに。
なにか角度的におかしいと祐樹は思った。その時、ナース服か何かが祐樹の鼻に当たった。
あ、これ覆いかぶさるように無理な体勢で洗ってる? と祐樹は思った。
心なしか寺島の鼻息もフンフンと先ほどと違うリズムを刻んでおり、荒いように感じられた。
祐樹は恐る恐る防水カバーから右手を外に出し、周りをまさぐった。
その右手は恐らく寺島の右ひざの少し上に当たり、祐樹は掌でそれを触った。
少しずつ右手を上に上げていく。
それ以上はダメよ。
そんなにきつい言い方でもなく、爺ちゃん患者をたしなめる程度の言い方で寺島が遮った。
ただ祐樹の手を跳ね除けるでもなく相変わらずシャンプーは続き、ついでに祐樹の鼻と唇は恐らく脇に近い体のどこかの部分で覆われた。
随分無理な体勢で洗髪を続けているのであろう、寺島の体は火照り、また汗の匂いが微かにし始めた。
祐樹は舌を出して、どこか分からない体の部分をぺろりと舐めてみたが、残念ながら布だった。
その内、シャワーのコックをひねる音が聞こえ祐樹の頭からシャンプーが綺麗に流し落とされた。
髪からある程度水気を切ったところで、はい終了と寺島の素に戻った声が聞こえた。
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