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2005/10/13

電話魔



若いときって色々な思い込みがあるよ。
それは男女に関わらずね。

知子と付き合い始める前の一年間にも、僕は色々な逢瀬を楽しんだ。
その頃の話しも書いてみようと思う。
今回の主役は由美ちゃん。
この娘と初めて会ったのも"Bar BUBBLE"だった。
なにせ暇な週末の殆どを僕はBUBBLEで過ごしていたから、
そこ以外で見知らぬ女性と巡り会う術はなかったし。
 


ま、それはそれ。由美ちゃんのことはよく覚えてるよ。
っていうのもこれまで付き合った女性の中でも五本の指に入るくらいの美人だったから。
透けるように白くややそばかすがかった肌、
細い顎、通った鼻筋、綺麗な弧を描く眉の下にくりくりと動く瞳、
ボブカットでよく手入れされた髪の毛。
その割にトレーナにジーンズってなラフな恰好。

それを見た時、僕は直感的に行けると思った。
彼女の友達が少し席を離れた隙に、僕は2、3席向こうの由美ちゃんに声をかけた。
思いの他、彼女は明るく答えてくれ、席に戻った彼女の友達と3人で僕らは飲むことになった。
話しを聞くと彼女らは市内の保母さんで、週末の楽しみに数人で飲みに出て、
仲の良い二人が最終的にここにたどり着いたのだと言う。
僕は常連であり、元々この店のバイトであることを告げ、
彼女らの警戒心を解いた。

常に明るく話す由美ちゃんは、僕の質問に対してたまに頓珍漢な答えを返したが、
見た目に似合わず面白い子だなあと好意的に受け取った。
その日は遅くなったこともあって、電話番号の交換だけ済まし、
僕はうきうきした気持ちで家路に着いたんだ。



翌日から由美ちゃんの電話が頻繁にかかってくるようになった。
この頃の僕には別に決った彼女もいなかったし、
勿論、美人からの電話は嫌な気もしなかったので普通に対応していたのだが、
そうこうする内に、朝の6時だろうが夜の3時だろうが
お構いなしに電話がかかってくるようになった。

そんな由美ちゃんの電話の内容は多様で、
素っ頓狂に今日の出来事を面白おかしく話すかと思えば、
とても重たい受け止め難いものもあった。

始めの頃はエロ気分も手伝って、
どんな内容であろうとそれなりに受け答えをしたが、
時間をあまりに無視した電話と重い話には閉口するようになっていった。

そんな中でも特に弱ったのが彼女の家庭環境についての話だった。

終わらない電話での話しから分かったのが、由美ちゃんの家庭は結構複雑だということだ。
お父さんが居るような居ないような、そんな感じの家庭だったらしい。
自分が働きはじめてからは、自分自身、近所とも縁を切りたかったので、
今はおばさんの家に住んでいると言う。

だが、ある日はそのおばさんの監視が厳しいと言い、
別の日にはおばさんからはお父さんの話しが聞けるから嬉しいと彼女は言った。
父親の話が出るのならと、話しを母親の方に振ると、
由美ちゃんの口は途端に重くなるのだった。
全てを語らなかったか、
もしくは僕が理解できなかっただけかもしれないけれども、
まだまだ裏があるような、
彼女の境遇はそんな感じだった。

ただ、あまりにも電話をかけてくる時間に無頓着なことと、
出会って間もない僕にそこまで話すのかい?
君、もしかして依存症かい?
と不安になった僕は、
前述のバーで出会った彼女の友人にそれとなく話を聞くと、

「うーん、彼女は天然なとこあるから」との答えをもらった。
おい、これって"天然"の一言で済ます問題なんかい!



そんな頃、一度だけ由美ちゃんといわゆる大人の関係になってしまう。
ここで自分の名誉にかけて言っておくが、
この時ばかりは僕から誘ったものではない。
彼女から誘われ、それに乗った形だ。
って気張っても同じことか。
僕の意思の問題だな。
ま、兎も角、SEXの内容については別に取り立てて書くようなこともない。
割と普通のSEXだったし、意外と着痩せするタイプなんだなー
と思っただけで、由美ちゃんの"天然ぶり"に弱りきっていた僕には
別にどっちでも良いよという感じだった。
これ本音。



それでも端から見れば僕らは良いカップルだったのだろう。
僕の友人が「由美ちゃんの友達を紹介してくれ」と言ってきた。
美人の友達は美人と思ったんじゃないかな。
僕はその旨を彼女に伝え、彼女はそれを快く引き受けた。
ダブルデートはその翌週に決定し、
僕は季節には少し早いが海にピクニックに行こうと提案した。
その当日は本当に快晴で、
既に車を手にしていた僕は気持ち良く6月の街を流した。

まず由美ちゃんを拾い、次に友人を拾い、
そして3人で彼女の友達を迎えにいった。

「今日はね、お弁当作ってきたよ。
 あっ、紹介の子は私の幼馴染の子。
 すごく可愛いよ」

その言葉が車内を一層華やかにした。
で・も・ね・待ち合わせの場所に現れた幼馴染の子は…
筆舌にし難い…あえて言うならCow。
今風に言うならモー娘。
ってな訳で海に向う車内には重苦しいムードが漂ったけれども、
我らが"天然"由美ちゃんにはなんら関係がなかった。

後ろの席に件の幼馴染と並ぶ僕の友人は、
常にアルカイックスマイルだった。
勿論、その心の内は仏ではなかったろうと思うけど。



そのCow事件以来、由美ちゃんと僕は徐々に疎遠になっていった。
これについては別に幼馴染のCowちゃんが悪い訳じゃない。
ピクニックの最中、僕、そして僕の友人、彼女の幼馴染との距離感が
キチンと計りきれない彼女の、
あまりにも突飛な言動や行動に僕の愛想が着きたってのが本当のところだ。
そして彼女から僕への電話も徐々に減っていった。

こういうのってホント、誰が悪い訳ではないと思う。
言ってみれば縁がなかったとか、
もしくは二人はピッタリと来なかったってことだ。

そして僕の中での由美ちゃんは済んだ話になっていった。
だがその数週間後、デートをセッティングしてやった友人からこんな話しが届く。



「はるお…朝から晩まで俺の電話鳴りっぱなしなんだ。
 由美ちゃんから…どうやったらお前と元に戻れるんだろうって…」



今になってみれば、僕は由美ちゃんを電話狂いの頭のおかしな娘だとは全く思わない。
長い人生の一時期、特に若い頃、愛情に恵まれなかった子供のまま思春期を迎えた女性が、
ただ単に頼れる人を探すっていう"依存症"、
特に異性に対して言えばファザーズコンプレックスに陥るってのはあり得る話だ。
そして一人頼れる人が見つかれば、これが最後と思い込んでしまう…
うん、程度の差こそあれ若い頃の恋愛は、
女性にとっては生きるか死ぬかの大問題になることがあるよね。

だからここを読んでる女性に伝えたい。
君達が若い間は、毎回毎回、大恋愛に陥ると思う。
でも年をとって振りかえると、
そのどれもが一期一会と変わらなかったって、
きっと理解できるようになるよ。
だから今の恋愛がどんなであれあまり悩む必要はない。


それから、ここを読んでる男性にも伝えたい。
結局のところ一期一会になるんだとはいえ、
自分の青春の一ページを飾ってくれる女性だからこそ大事にしてあげなきゃいけない。
思い出は美しくあるべきだからね。
そう、だから電話魔の由美ちゃんも、
今は幸せになってくれてれば良いなぁと僕は思うよ。



毎朝、早起きしてニコニコ笑いながら旦那さんのお弁当を作って、
10時には食卓に花を飾って、夕方から子供達にピアノを教えて
「ああ、もうこんな時間。今日の晩御飯は何にしようかしら」
なんて悩んだりして、そんな風になってくれてると嬉しいな。
ああ、思いだしちゃった。
由美ちゃん君は今どうしてるんだい。
由美ちゃん、ここを見てるかい?
由美ちゃん、もう一度僕とあの頃の話しをしないか。

繰り返すけど"もう一度"だけね。
2度は結構です。
 
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