荒れ狂う若者の欲望と言ったところでしょうか?
それにしても惜しいことしたよなあ。
まったく今なら考えられないことですわ。
大学に入ってからも半年くらいは、久美との手紙のやりとりが細々と続いてたよ。
その間に僕も何人かの女性とちょっと良い感じになってデートなんかしたり、勿論その時にキスくらいはしたさ。
でもそこからもう一歩踏み出すことつまりセックスまで踏みこめなかったっていうのは、
やっぱり久美に操を立ててたんだろうな。
今にして思えば純朴な青年。
それが段々とおさえが利かなくなって行ったのは、やっぱ若さか…
まあ端的に言えば性欲に勝てなかったってことです、はい。
そんな大学1年の夏の終わり、僕は友人に誘われ数名でディスコへ出かけた。
純朴な青年の僕はディスコですらあまり馴染めなかったんだけど、
周りを友人に囲まれてたし、知り合いだらけの気安さで散々酒を飲んで、踊って、クラクラな状態になってた。
もう時間は3時か4時くらいだったんじゃないかと思う。
酩酊状態からハッと気付いて頭を上げると、
友人のうちの誰かの知り合いだという女の子が僕らのテーブルにやってきてたんだ。
お世辞にも可愛い子じゃなかったけど、酒で理性のぶっ飛んだ僕は猛烈な勢いでその子を口説いたらしい。
ぜーんぜん覚えてないんだけどね。
後から友人が教えてくれたんだけど、かなり必死だったらしい。
友人曰く「気合いの入った口説き文句を連発してた」そうだ。
相手選べよ!<俺
結局、僕はその子をお持ち帰りして、その時に持てる欲望の全てを彼女の体にぶちまけたのだ…と思う。
残念だけど、めたくそに酔っ払ってたんでその内容を覚えてないんだ。
ただ、僕は今も昔もフェミニスト。
女性が嫌がるようなことは決してしてない自信はある。
その証拠はとっくにお昼を過ぎてから起きた時に、キッチンのテーブルの上に残ってた。
「また誘ってね」とだけ書かれた一枚の便箋…
うーん、こりゃまいったな。君の名前すら覚えてないんですけど…
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