順三は荷物を玄関に置き、ドアの鍵を内から閉めた。
ヒールが置いてあるということは女だろう。
傘さえあればなんとかなる。
順三は靴のまま廊下を進んだ。
ユニットバスに聞き耳を立てるが人気はない。
次にリビングのドアを開けると、勢いよく中に飛び込んだ。
明るいリビングを見回すが、誰もいない。
聞けば、寝室の方からまだがさごそと音が聞こえる。
順三は左手で傘を構えると、寝室のノブに手をかけ
一気にドアを開けた。
こら!誰かっ!
カーテンがかかったままの
薄暗い寝室に居たのは社長婦人であった。
婦人は目線を後ろにもって行ったまま
スカートのファスナーを閉めようとしていた。
よほど慌て着たのだろう
ピンクのシャツの上ボタンは半開きで
片方の裾はウェストから飛び出している。
順三はなんだこりゃと驚いて見ていた。
マンションは社長の持ち物なので
社員の部屋が綺麗に使ってあるかどうか
極まれに日曜などに抜き打ち検査があったりする。
年末に社員がいない間に大掃除をしてくれたり
業者を入れて清掃をしてくれたりすることもある。
だから社長や婦人が鍵を持ってるのは、まあ分かる。
だけど、なんだこりゃだ。
婦人はある程度、身なりを整えると
ベッドの脇に置いていたバッグを抱えて
順三の横を無言で通り過ぎようとした。
いくらなんでもそれはないだろうと
順三は腕で制した。
ちょっと、奥さん。
なんでもないわ。
何でもなくないでしょう。
掃除してたのよ。ちょっとどいて。
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コメント
おはようございます
がんばって下さいね。応援してます。
2014-07-30 09:08 じゅん URL 編集
じゅんさん、応援ありがとうございます
また、お気軽にコメントくださいね。
2014-07-30 21:34 はるお URL 編集