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2014/08/07

ちょ、ちょっと奥さん。俺の部屋で何してるの。



順三は荷物を玄関に置き、ドアの鍵を内から閉めた。
ヒールが置いてあるということは女だろう。
傘さえあればなんとかなる。

順三は靴のまま廊下を進んだ。
ユニットバスに聞き耳を立てるが人気はない。
次にリビングのドアを開けると、勢いよく中に飛び込んだ。
明るいリビングを見回すが、誰もいない。
聞けば、寝室の方からまだがさごそと音が聞こえる。
順三は左手で傘を構えると、寝室のノブに手をかけ
一気にドアを開けた。

こら!誰かっ!

カーテンがかかったままの
薄暗い寝室に居たのは社長婦人であった。

婦人は目線を後ろにもって行ったまま
スカートのファスナーを閉めようとしていた。
よほど慌て着たのだろう
ピンクのシャツの上ボタンは半開きで
片方の裾はウェストから飛び出している。

順三はなんだこりゃと驚いて見ていた。

マンションは社長の持ち物なので
社員の部屋が綺麗に使ってあるかどうか
極まれに日曜などに抜き打ち検査があったりする。
年末に社員がいない間に大掃除をしてくれたり
業者を入れて清掃をしてくれたりすることもある。
だから社長や婦人が鍵を持ってるのは、まあ分かる。
だけど、なんだこりゃだ。

婦人はある程度、身なりを整えると
ベッドの脇に置いていたバッグを抱えて
順三の横を無言で通り過ぎようとした。
いくらなんでもそれはないだろうと
順三は腕で制した。

ちょっと、奥さん。
なんでもないわ。
何でもなくないでしょう。
掃除してたのよ。ちょっとどいて。
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コメント

非公開コメント

おはようございます

この前見つけたのですが続きが気になって毎日見にきてしまいます。
がんばって下さいね。応援してます。

じゅんさん、応援ありがとうございます

毎日更新を目指して、ゆっくり、のんびりと頑張っていきます。
また、お気軽にコメントくださいね。
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