あの女と出会ったのは先週末だ。斉藤にははっきりと言っていないが、確かにセックスまで持ち込んだ。
そして生中出しまでやってしまった。
俺が悪いのかと言われれば微妙な線だが、まあ女に言わせれば悪いのはいつも男ということになるんだろう。
・・・
先週末、俺は斉藤に誘われて飲みに出かけた。
「決算が大枠固まったしたまにはいいでしょ」と斉藤は言ったが、その真意は俺には分かっていた。
長年連れ添った妻が出ていき、別居状態から離婚の決着がついたのがやっと先月のこと。
たまには憂さ晴らしをしろと、斉藤なりに俺に気を使ってのことだろう。
まったく、どっちが先輩だかわかりゃしねえが、あいつは間違いなく優しい奴だ。
そんじゃかんぱーい。
おう、かんぱーい。
居酒屋に腰を据えて二人で飲み始めた。
最初は当たり障りのない、部長の悪口や会社のシステムについての話。
あと、高橋のあほっぷりなんかでも笑ったな。まあ、いつもの調子だ。
その内に酔いも回って、話題は俺の離婚の話になった。
斉藤も分かってたんだろう。黙って聞いてくれたよ。
まあ、離婚については、幸い俺たち夫婦の間に子供はなくて、親権の取り合いなんていざこざもなかった。そういう意味じゃ、世間一般の離婚よりはスムーズだったのかもしれないな。
スムーズですか?
あああ、スムーズってのはおかしいが、まあ問題は感情のもつれだ。長い付き合いだっただけにこればっかりはしようがないわな。
ですよね。
しかも女房が出て行った後になって、男が居たんじゃないかって疑惑が沸いてからは、これはもう俺の沽券に関わる問題よ。それでも女房に言わせれば俺が悪いってことなんだけどな。
ちょっと、ちょっと。それ証拠は見つかったんですか?
それがひどい話さ。自宅にも連れ込んでやがってなあ。ポロポロと証言が出てくる。周りの奥様方とかな。ま、結局、女の敵は女だ。
へえ。怖いですね。
それでもなー、好きで夫婦になったんだから穏便に済まようって俺の中の天使と、いやいや、男もろともボロボロになるまで破滅の道を進ませろっていう俺の中の悪魔と、その2つの葛藤だぜ。こいつには正直参ったぞ。
天使ですかw それでもそんな気持ちになるんすかw
もう他人だから関係ないんだけどな。
結果、悪魔を選択ですよね。
俺んちでやったらダメだろ。そういう筋論は大事だよ。どっちかっていうと向こうが悪魔だって話だよな。
そりゃそうです。
ま、そんなわけで俺は近々マンションも引っ越すよ。
なーんて話を斉藤として、途中から焼酎のロックに切り替えたからベロベロになってたわけ。
結構、遅くまで飲んだのかなあ。
俺としてはそんな理由もあるからさ、慌てて家に帰る必要もないんで。
そろそろ帰りたがってる斉藤を連れて、もう一軒流れたわけだ。
確か、駅近くの斉藤のお奨めのショットバーだったな。
ここら辺の記憶はまだはっきりしてる。
問題はそこからだ。
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