ズボンとパンツを脱いで、そこのベッドに腰をかけてください。
俺が医師の指示通りに服を脱いでいる間に、医師は机に置かれたボックスから薄いゴム手袋を引き抜き、両手にはめた。それとマスクを着用した。
医者も色々と大変だ。特に下半身のこととあっちゃな。自分に移るとあの奥さんにも移るもんな。
俺がベッドに腰かけたのを確認すると、それじゃちょっと失礼しますよと断りを入れ、股間に手を持ってきた。
何が起こるかわからない恐怖に縮こまり、半分皮をかぶっている陰茎を根元側に引っ張り亀頭を露出させると、医師は表、裏、上から亀頭の観察を始めた。
そんなものは俺も素人なりに既に見ている。イボとかカビとか変色とか、そういう性病らしい形跡はなにも見当たらないのだ。
次に玉を触る。
2つの玉の硬さや陰嚢の伸び具合を観察しているようだ。
えっと、新谷さん。ずっと勃起が止まらないということでしたが。
はあ。
睾丸の痛みはありませんか。
いえ、それは特にはありません。
そうですか。まったくない?
ええ。金玉は痛くありません。
まったく?
だから痛くありませんって。
分かりました。では排尿時に痛みはありますか。
それもありません。
頻尿もしくは漏らしたと感じたことは。
最近のことですか?
そう。ここ4日以内の変化です。
ありません。
そうですか。わかりました。ちょっと失礼しますね。
そう言って内またのちょうど金玉の横あたりを強く押され、痛みがないかを確認された。
これはたぶんリンパ節の確認だろう。勿論、痛みなどはまったくない。
そして陰茎をこねくり回され染み出した我慢汁を、医師はスポイトで丁寧に吸いプレパラートに移した。
やっとか。これだよ。俺はこういう検査を期待していたのだ。
俺みたいな素人じゃ分からない病原菌。性病の可能性を検査して欲しいのだ。
と、ここで医師が面白いことを小声で言い始めた。
(ところで新谷さん。あなた誰にでも立つって言いましたね)
(はい?)
(今から看護師を一人呼びます)
(え、は、はい)
(本当に立つのか、変化を見せてください)
俺の返事を待たずに、医師は声を荒げた。
おおい。岸本君。岸本君。
だがその看護師、おそらく岸本君、がやってこない。医師は再度声を上げたのだがやはり岸本女子はやってこなかった。
医師がちょっと待っててくれと言い、丁寧にプレパラートを机に置いて、カーテンの向こうに消えていった。
俺はちんこを出した哀れな被験者だ。一人簡易ベッドに座ってるしかないとはまったくやるせないぜ。
揉め事のような声がしばらく聞こえたが、医師は1分も経たないうちに若い看護師を伴って部屋に戻ってきた。
若い看護師、おそらく岸本女史はカーテンから出てきても、ただそこに立っているだけだった。
ふてくされているわけでもないだろうが余所を向き、若干、目の焦点が合っていないようにも見える。
岸本君、このプレパラートを検査に回してくれ。
医師がプレパラートを岸本女子に手渡す。
俺はその茶番を眺めていた。
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