小林部長が立ち去ると、高橋が机越しに小声で話しかけてきた。
新谷さん、ホント大丈夫っすか。
んーなにが?
いや、さっき目の焦点が合ってなかったっていうか。ホントやばい顔だったっすよ。なんかアヘ顔みたいな感じで。
俺は笑った。高橋はいい奴なんだが昔から気が回らない。
いや、お前気づいてたなら声かけろよ。
笑いながら言ったのだが、高橋は気分を害したのかそれ以上話しかけてこなかった。まいっかと、俺も高橋にはそれ以上応じない。
社内ネットで早退届を提出し、今日中に片付けておくべき案件がなかったかといくつかの書類を見ているときに、隣の席の斉藤が戻ってきたので声をかけた。
おい。悪いけど今日は帰るぞ。
調子が悪いんすか。
うん。どうも熱っぽい。
引き継げる案件があればやっときますよ。
同じ後輩でもこいつは頼れる相棒だ。
斉藤が席に着き、俺の方に椅子を寄せてきた。高橋に聞こえないように小声で耳打ちしてくる。
この前の子になにか移されました?w
そんなんじゃないよ。
でもあれから4日くらい経ってるでしょ。
1、2、、そうだな。
何か出るなら今頃じゃないですかw
やってねーよw
斉藤の椅子を軽く蹴って立ち上がる。
悪いな。じゃあ後は頼むわ。
広いオフィスを見渡すと午前中から営業に出ているものがほとんどで、席が埋まっているのは我々経理部の部署だけだった。
その閑散としたオフィスを抜けエレベータホールへと向かう。
たしかに斉藤の言うことは一理ある。俺はやった。しかも生で、中出しまでやった。となれば性病の可能性はあるわな。ちょっとおかしな娘だったし。言われてみれば尿道にも金玉にも、もぞもぞというかじくじくというか、痛みまでいかないような違和感もある。頭も熱っぽいというか、ぼーっとしてしまうのはもしかしたらそのせいなんだろうか。しかし性病で勃起が止まらないってのはあるのか?
途中の廊下で他社の制服を着た女子社員とすれ違った。その途端に卑猥な妄想が頭を駆け巡り、陰茎がおもむろに鎌首をもたげ始める。
(おいおい。絶倫王子かよ。)
軽く笑う。その時は本当にお気楽に考えていた。エレベータホールに到着し1階のボタンを押す。鞄でズボンの前を隠してエレベータの到着を待っていた。
(しかし斉藤の言ってたことが気になるのは事実だな。性病かあ。いまいち顔も思い出せないあの女だが、やられちゃったかー。色々すっきりした挙句に、俺にもラッキーが転がり込んできたと思ったんだがなあ。くっそー。ああもう、エレベータも来やがらねえ。むかつくわー。)
40階建てのこのビルだがテナント数のわりにエレベータが6機しかなく、乗りたいときになかなかやってこなくてイライラする。
だが、同時に良いことにも気が付いた。どうやら意識をしっかりと持って、なにか考え事をしている限り、勃起も収まるらしい。自分が頑張ればピンクの世界に飛ばなくて済むってことだ。
なんとなくコントロールのコツが掴めてきたぜ。ふっふっふ。
そこにやっとエレベータが到着し、ドアが開いた。
エレベータの中は満員の女子社員。その視線が俺に集まる…
順番待ちの人の波に押され、もうエレベータに乗るしかない。
おい!なんてこった。
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