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2017/03/09

パンチラ覗き男の言い訳と女の追及



いや、僕は…

色白の好美の頬から耳までが真っ赤に染まる。
悪戯心から性癖に至ってしまっただけ。
悪いことをしている自覚はあるが、本人にはそれほどの悪気はない。
だが臆病な好美は走って逃げることも暴れることもできなかった。
ここは嘘をついてでも、隠し通すしかない。

初めてなんです。許し…
あっはっはっは。あなた初めてじゃないわ。先週もやってたもの。

好美は驚愕した。
ばれてる。
完全にばれてる。
どうする。どうする。

どうすることもできない好美がとった行動は泣き落としだった。
いや、自らがその行動を選んだわけではない。
20歳とは言え好美はまだ子供だ。
思考も選択肢も少ない。
自分ではもうどうしようもなくなった瞬間に、自然と目から涙が溢れ、嗚咽が喉から絞り出されたのだった。

ずみばせん…ほん…本当にずみばせん。
逃げないわね。
でぃげばせん…
逃げたら、私、大声出すからね。
はい…ぅぅ…
で、見てたのね。
ずみばせん…本当にずみばせん…

ピンクのコートの女性は少し考えてから言った。それは冷たく笑ってる風でもあった。

こんな道の真ん中であんた泣いてると私が悪いみたいじゃない。

ちょっとついてきなさい。
警察とか…
違うわよ。いいから来なさい。

好美は手を引かれて移動を始めた。抵抗する気力もなかった。
連れていかれたのは図書館に併設する駐車場だった。

あたしの車。乗りなさい。

女が後部座席のドアを開けた。警備員に引き渡されるのかとビクビクしていた好美はほんの少しだけ安堵し、女があたしの車だという赤い国産車に乗り込んだ。
 
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