
さてと、
好美を追って後部座席に乗り込んだ女が言った。
写真を撮ってないか確認するわ。携帯を出して。撮ってません。本当です。信じてください。
あなたの何を信じられるの?
…
とっとと出してロックを解くの。
ピンクのコートの女の強い口調に負けた好美は、涙をぬぐい鼻をすすった後、鞄から携帯を取り出した。
ロックを解いてに渡す。
しばらくすると女の携帯が鳴り始めたが、女はそれを気にも留めていない様子だった。
そしてピンクのコートの女は、しばらく好美の携帯をいじった後にこう言った。
ふーん。写真はないみたいね。杉本好美君。
写真…え…なんで名前…悪いけどFaceBookを見たわ。
えっそんな。
電話番号ももらったわよ。次は身分証かな。
本当に無理です。本当に勘弁してください。
あらそう。それなら私は図書館に戻るわ。
…
ビデオで確認すればわかるし。
ビデオ…?
あなた先週あそこで本を借りて帰ったでしょう。
…
見てたの。それに杉本君て名前も分かったし。
あぁ…
私が言えばあなたは終わり。でも別にいいの。
身分証出します。言わないでください。
そうね。従順が大事よね。さっきから手が震えてまともにものを持てないのだが、好美はあきらめて鞄の中から運転免許証を取り出した。
アルバイトのために原付の免許を取った時のものだ。
ピンクのコートの女はそれをしげしげと眺めてから、携帯で写真に撮った。
僕、学生なんでお金はありません。許してください。
ふーん学生なんだ。お金なんてあたしが言った?
…言ってません。
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